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実践で役立つウインドサーフィンの原理・最速理論を公開

ウインドサーフィンの原理
  • ウインドサーフィンの原理が知りたい
  • 原理をウインドサーフィンの実践に役立てたい
  • ウインドサーフィンの最速理論が知りたい

この記事では、ウインドサーフィンの基本原理を分かりやすく詳しく解説し、実用的なノウハウをお伝えします。

まず、ウインドサーフィンの基本的な原理に焦点を当て、速く走るための原理を深堀していきます。

この記事を読むことで、直感的に感じていたことが理論的に理解できるでしょう。

今まで感覚的に行ってきたことに理論が加われば、今後のウインドサーフィンに役立ちます。

それでは、あなたのこれまでの経験とウインドサーフィンの原理を照らし合わせ、最速理論を実践で活かしていきましょう。

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目次
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ウインドサーフィンの基本原理

ここでは、ウインドサーフィンがどのような原理で進行方向に進むのか解説します。

少し専門的な話になりますが、できるだけ分かりやすく解説していきます。

ウインドサーフィンの原理を理解した上で、実践に役立てていきましょう。

ウインドサーフィンの推進力

ウインドサーフィンでは、セイルは風を捉えて、そのエネルギーを推進力に変換します。

セイルに対する風の影響は、揚力と抗力の2つの主要な成分に分けることができます。

推進力とセイルの揚力、抗力の関係

揚力はセイルに対して垂直方向に力が働き、ボードを前に進める力です。

一方、抗力はセイルに対して水平方向に働き、進行を妨げる力となります。

ボードが進むためには、揚力が抗力を上回る必要があります。

なぜ揚力の方向に進まないのか?

セイルから生まれる揚力は進行方向と完全に一致せず、角度がズレています。

なぜボードは、揚力(Ls)の方向に向かって進まないのか疑問に思いませんか?

推進力、ボードの横流れ、横流れを防止する力の関係

その答えは、フィンによる抵抗(FSF)でボードが横流れ(FY)することを防いでいるからです。

その際に、残った風の力が推進力(FX)となり、ボードを前方に進めるのです。

しかし、横流れの力を完全に止めているわけではありません。

実際には、ボードは少しずつ横に流れながら進んでいるのです。

これは、例えば図のω角のように、ある程度の角度で横流れしながら進みます。

また、ボードスピードが上がるほど、横流れの角度は小さくなります。

記号の意味合い
  • FX:セイルによって生じる推進力
  • FY:セイルが横流れする力
  • FSF:横流れを止めるフィンの力
  • Ls:セイルの揚力
  • Ds:セイルの抗力
  • Ts:LsとDsを合成したセイルパワー
  • ω:ボードの横流れ角度

揚力が発生する原理

揚力がどのようなものかを説明するにはベルヌーイの原理が分かりやすいです。

セイルに風が吹き抜けると、セイルの内側と外側にそれぞれ風が流れます。

外側は距離が長めですが、先に外側の風がセイルの後ろ側まで到達します。

ということは、セイルの外側で風速が早く、内側で風速が遅いということになります。

ベルヌーイの法則の解説1

速度の差は圧力差となります。

速度が速い個所では圧力が下がり、速度が遅い個所では圧力が高くなります。

空気は高圧から低圧へと流れるため、セイルに風を通すとセイルに対して外側に向かって垂直な力が発生します。

ベルヌーイの法則の解説2

これが揚力ということになります

ウインドサーフィンは、この揚力を利用して、ボードの推進力に変換していることになります。

アウトホールを引くとセイルパワーが弱まる原理

風が強い時にセイルパワーを抑えたい場合、セイルのアウトホールを引くと、セイルの揚力が減少し、結果的にセイルパワーが下がります。

セイルのアウトホールを引くと揚力が下がる

アウトホールを引くと、セイルのドラフト(膨らみ)が浅くなり、その結果、圧力差が小さくなります。

圧力差が少なくなると揚力が下がるのでセイルパワーが下がるとういことになります。

ウインドサーフィンで早く走る原理・最速理論

早く走るためには揚力を最大化し、抗力を最小化することが重要です。

揚力はウインドサーフィンのボードを前進させるための推進力であり、抗力はその進行を妨げる力です。

揚力を高めるためには、風速に対して適切なサイズのセイルを選び、風の向きに合わせてセイルの角度を調整することが必要です。

一方で、抗力を減らすためには、ボードと水の接触面積を減らすことが効果的です。

どのようにして揚力を上げて、抗力を下げるのか、結論を以下にまとめました。

揚力を最大化する
  • オーバーセイルにならないギリギリのセイルサイズを選ぶ
  • セイルをチューニングする
  • 冬場は空気の密度が高まり揚力が上がる
  • 見かけの風が2倍になると揚力は4倍になる
  • ボードスピードが出ると揚力が上がる
  • ボードスピードに合わせてセイルの角度を最適化する
  • ボードの向きを風下に120度の角度で下らせる
抗力を最小化する
  • 水中抵抗が少ないほど早い
  • ボードの幅が狭いものを選ぶ
  • フラットな水面を選ぶ

また、揚力が大きくなると、それに対抗する力が必要になります。

どのように対抗するのかは以下の通りです。

増大する揚力に対抗する
  • 体重が重いほどセイルパワーに抵抗できる
  • セイルパワーにはハイクアウトで対抗する

それでは、それぞれの理論を深堀していきましょう。

セイルの揚力(L)を最大化する

セイルの揚力を計算する基本方程式は次のようになります

セイルの揚力の計算式

この式から考察すると、以下の各要素が大きくなればなるほど、揚力が大きくなり、理論上では早く走ることができるということになります。

各要素
  • L :揚力
  • A:セイル面積
  • ρ :空気密度
  • V :風速(見かけの風)
  • CL:揚力係数

ここから先はそれぞれの要素に対して深堀していきたいと思います。

セイルの面積

理論上、セイル面積が大きいほど揚力は増加し、速度も上がるとされます。

しかし、セイルが大きすぎるとオーバーセイルとなり、コントロールが難しくなります。

オーバーセイルは、セイルが風を適切に処理できないほど強い風を受ける状態を指します。

サーファー側の問題としては、セイルパワーの増加に対応するための力が不足し、セイルを適切な角度で引き込むのが困難になります。

これにより、揚力が低下することがあります。

セイル自体の問題では、強すぎる風を捉えるとセイルのリーチが適切に開かず、風が内部に溜まってしまうことがあります。

セイルのリーチが適切に開いていない状態

その結果、セイルから風が効率的に流れず、揚力を得られなくなります。

これらの問題を解決するためには、オーバーセイルにならないセイルサイズを選び、ダウンテンションを適切に引いて、リーチが開きやすくすることが重要です。

セイルのリーチが適切に開いた状態
CHECK
  • オーバーセイルにならないギリギリのセイルサイズを選ぶ
  • ダウンテンションを適切に引く

空気の密度(p)

ウインドサーフィンにおいて空気の密度は揚力に影響を与え、密度が高いほど揚力が高くなります。

空気の密度は主に温度と湿度によって変動します。

気圧も影響を与える要素ですが、海上では無視できるレベルです。

基本的には、気温が下がると空気の密度は増加し、湿度が低下すると密度が上がります。

要因影響度解説
温度温度が低いほど密度は増加する
湿度湿度が低いほど空気の密度は増加する
気圧海面近くの条件ではあまり変化なし

空気の密度を計算するための一般的な式は次のようになります。

空気の密度の計算式

湿度を考慮に入れるためには、より複雑な式が必要です。

一般的に、湿度が高いほど空気の密度は若干低下します。

しかし、空気の密度に対する温度の影響は湿度の影響よりも大きいため、湿度の計算は省略します。

記号の意味
  • p:空気の密度 (kg/m³)
  • P:気圧 (Pa)
  • R:気体定数(空気の場合は約 287 J/(kg·K))
  • T:絶対温度 (K)

冬は温度と湿度が低くなり空気の密度が上がるため揚力が増します。

HARU

冬場は夏に比べて風が重く感じるのは、空気の密度の違いによるものですね。

CHECK
  • 温度と湿度が低くい方が揚力が大きくなる

セイルの揚力(L)と風速(V)

揚力の計算式を見ると、揚力Lは速度V の二乗に比例していることがわかります。

揚力の計算式

これは、速度がわずかに増加するだけで、揚力が大幅に増加することを意味します。

例えば、速度が2倍になれば、揚力は4倍になります。

この速度Vは、「見かけの風Va」のことを指しています。

見かけの風(Va)という言葉は聞き慣れないですが、実際に吹いている風(Vt)と、ボードの進行方向から受ける風(Vb)とのベクトル合成です。

見かけの風のベクトル図
HARU

要するに、見かけの風速が速ければ速いほど、セイルが生み出す揚力も大きくなり、ボードの速度が上がると揚力はさらに増加することが理解できます。

記号の意味合い
  • Ls:セイルの揚力
  • Vt:実際に吹いている風
  • Vb:進行風(ボードスピード)走ると正面から向かってくる風
  • Va:見かけの風(VtとVbのベクトル合成)

また、ボードスピードが上がると、見かけの風はより前方から吹いてくるため、ボードスピードに合わせてセイルの角度を調整する必要があります。

  • 見かけの風が2倍になれば揚力は4倍になる
  • ボードスピードが速くなるほどさらに速くなる
  • ボードスピードに合わせてセイル角度を調整する

揚力係数(CL)

セイルの揚力係数(CL)は、セイルが風をどの程度効率よく利用して揚力を生み出しているかを示す指標です。

揚力係数は、セイルの形状、風の向き、そしてセイルの角度、つまり迎え角αによって変動します。

セイルの迎角についての図

迎え角αは、見かけの風に対してセイルをどれだけ引き込んだか示すものです。

迎え角の変化により、セイルが風を受ける方向が変わり、それに伴い揚力係数CLも変動します。

迎え角αが増加するにつれて揚力係数は増加しますが、ある点、失速角に到達すると急激に減少します。

HARU

これは、セイルを適度に引き込むことで揚力が増加する一方、過度に引き込むと揚力が低下するということですね。

スピードを向上させるためには、このバランスを理解し、セイルトリムを適切に行うことが重要です。

理想的な迎え角は一般的に20°から30°の範囲とされますが、セイルの設計やボードの向きによって最適な迎え角は異なります。

ボードの最適な進行角度

ボードの進行角度をどのように調整するかが速度に大きな影響を与えます。

よく言われるのは、「ボードを下らせる(風下に向ける)と速くなる」ということです。

具体的には、セイルの迎え角を適切に調整しつつ、115°から120°の角度で走行すると最速になるとされています。

一方で、スラロームのトッププロに確認を取ったところ、130°の角度が推奨されました。

ボードを120度下らせた状態

例えば、世界最速記録が出ているナミビアのリューデリッツにある人工水路でも、このようなボードを下らせる角度のコースとなっています。

ナミビアリューデリッツの用水路
ナミビアリューデリッツの用水路の角度
出典:windy.com

当然、風向きが変われば角度が変わりますが、定期的に確認したところ、概ねこの角度で風が吹いていることが分かりました。

同様に、スラロームレースのダウンウインドコースも風下に向かって下らせる形になっており、早く走るためのものと考えられます。

HARU

実際の体験からも、120°の角度が速度を最大化するのに適していると感じられます。

また、130°を超えるとプレーニングが難しくなり、速度が低下する傾向があります。​

ボードを120°~130°の角度で下らせる

抗力(D)を最小化する

ボードは水上を滑る際、水との摩擦によって抗力が発生します。

ボードの抗力

この抗力を減らすための一つの方法は、ボードと水が接触する面積を小さくすることです。

速度が上がると、ボードは水面から浮き上がり、接触面積が減少します。

この状態を「プレーニング」といい、ボードが水面に触れる面積が少なくなることで、抗力も低減します。

ボードは水との摩擦によって抗力が生じます。

また、速度が増すにつれて、ボードと水の接触点はボードの後方に移動します。

ボードの抗力が減少した状態

この結果、ボードと水の接触面積がさらに減少し、水の抵抗が小さくなります。

これにより、ボードはさらにスピードアップすることができます。

特に、ボリューム配分が後方に多いスラロームボードは、接触面積が小さく、水の抵抗を受けにくい設計になっています。

ただし、この設計のためボードが浮き上がりやすく、コントロールするのが難しくなる場合があります。

ボードの横幅が狭いほど、水と接する面積が減るため、より速く走ることができます。

スピードを追求する人向けのボードには、「スピードボード」というラインナップがあります。

例えば、AV-BoardsのMODENA-SPEEDがこれに該当し、長さは230cm程度ですが、幅が40~50cm程度の狭い仕様になっています。

この細いボードの幅が、水の抵抗を減少させる要因となっています。

また、水面がフラットの方が、水とボードの接触面積が少ないため、抗力が下がります。

  • スラロームボードを選ぶ
  • 幅が狭いボードを選ぶ
  • フラットな水面を選ぶ

セイルとフィンのバランスを最適化する

ウインドサーフィンでは、風の強さとセイルの大きさに適したフィンを選ぶことが、ボードをコントロールすることが可能な範囲での最速要因となります。

風が強くセイルが大きい場合、セイルは多くの力を生み出すため、ボードがオーバーパワーとなりがちです。

このオーバーパワー状態を避け、コントロールを維持するためには、フィンの揚力を減らす必要があります。

そのため、フィンのサイズを小さくすることで揚力を抑え、ボードを扱いやすくすることができます。

逆に風が弱い場合は、より大きなフィンを使うことによりリフトを増加させ、セイルのパワー不足を補います。

このようにフィンを場合分けすることで、様々な風の条件下でも最適なパフォーマンスを実現できるのです。

風の強さセイルサイズフィンのサイズ理由
弱い小さい大きくする小さなセイルからの揚力が限られているため、フィンで補い安定性と揚力を向上させる
弱い大きい大きくするフィンが大きいほどリフトが増加するため、推進力が不足しがちな弱風条件下での速度を補助する
強い小さい大きくするセイルからの揚力が限られるため、フィンで補いながら抗力を管理し、高速での安定性を確保する
強い大きい小さくする大きなセイルによる高い揚力と強風での抗力をバランスさせるため、フィンを小さくして揚力を減らす
フィンの使い分け

淡水と海水では水の密度が違う

淡水では水の密度が海水と比べて低いため、フィンから得られる揚力が小さくなります。

淡水の密度は約1.0 g/cm³(1000 kg/m³)です。

一方、海水は塩分を含んでいるため、その密度はやや高く、約1.025 g/cm³(1025 kg/m³)程度になります。

この場合、フィンのサイズを若干大きくするとセイルパワーとのバランスがとりやすくなる可能性があります。

フィンの製造による違い

カーボンフィンは高い剛性を持ち、水中での変形が少ないため、予期しない形状の変化による揚力の減少を抑えることができます。

さらに、CNC(Computer Numerical Control)技術を用いた製造は非常に高い精度で製造されます。

CNC技術は、コンピュータ制御による精密な切削や加工を行う技術です。

この技術により、設計された正確な形状と寸法を再現することが可能です。

結果として、フィンの形状が最適化され、水流が滑らかになり、揚力ロスが低減されます。

特に人気のフィンについて、製造方法を調べてきたのでご紹介します。

メーカー製造方法備考
Z-FINハンドメイドプリプレグ技術で製造
N1finsハンドメイド国産
ChopperfinsCNCPWA選手の使用率№1
フィンメーカーと製造方法

サーファーの体重の影響

ウインドサーフィンでは、セイルパワーとサーファーの体重がボードの速度と安定性に影響を与えます。

セイルの力とサーファーの体重が釣り合っている時、ボードは最も効率良く進むことができます。

ここで面白い点は、体重が重いサーファーはより大きなセイル力に対抗できるということです。

つまり、体重が重いほど、強風下でのセイルの力を活用して速く走れるわけですね。

セイルモーメントと体重モーメントのバランスは以下の公式で表されます。

F×dF​=W×dW(セイルモーメント=体重モーメント)

セイルと体重のバランス
記号の解説
  • F:セイルに働く風の力
  • dF:セイルの力の作用点から回転軸(例えばマスト)までの距離
  • W:サーファーの体重による重力
  • dW:重心から回転軸までの距離

セイルのサイズが大きいほど、セイルに働く力の作用点は遠くなり、F は増大します。

ただし、セイルが大きすぎると制御が難しくなりますので、サーファーの技量や体重、そして風の条件に合わせて、適切なサイズを選ぶ必要があります。

トッププロのスピードアタックでは、体重を増やすためにウエイトジャケットを着用するケースがあります。

ウエイトジャケット着用により、4kg~6kg程度体重を増やすことができるので、スピードを極めたい方は試してみてはいかがでしょうか。

リバティプロリミットから、ウエイトジャケットが販売されているのでチェックしてみましょう。

ハイクアウト

また、体重以外にもセイルパワーに対抗する方法があります。

それが「ハイクアウト」です。

ハイクアウトとは、サーファーがボードの外側に体を出すことで、重心をボードの中心線から遠ざけるテクニックです。

これによって dW が増加し、より大きなセイル力に対抗できるようになります。

ハイクアウトするには、ハーネスラインの長さを最適化しましょう。

  • 体重が重い方が早い
  • ウエイトジャケットを着用して体重を稼ぐ
  • ハイクアウトさせてセイルパワーに対抗する
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ウインドサーフィンの原理・まとめ

この記事では、ウインドサーフィンの実践で役立つ原理と最速理論を紹介しました。

早く走るためには、自分がコントロールできる範囲で、揚力を最大化して、抗力を最小化する必要があることをお伝えしました。

ウインドサーフィンの原理を理解できれば、今まで感覚的に行ってきたことに対して、理論が加われば意識して実践できるようになりますね。

それではゲレンデでお会いしましょう。

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